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現代の日本は、誰もが最新の医療に基づく診療を受けられる社会になりました。しかし、その結果として高齢化社会が進行し、医療費の支出に保険料の収入が追いつかなくなってきています。本サイトでは日本の医療費の問題と、その問題に対して何が出来るのかを考えていきます。お問い合わせはこちらのメールフォームからお願いします。
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日本の医療は技術的に世界トップレベルの上、国民全員がなんらかの形で公的保険に加入していますので、病気やケガの時の病院利用率も高く、結果として平均寿命を押し上げることになっています。しかし、近年では高齢化社会が医療費の増加を招いており、今後の財政上の問題が浮かび上がってきています。
日本の医療は世界最高の水準なのです。その結果としてみなさんもよくご存じのとおり、日本の健康寿命は世界一!!健康寿命とは平均寿命のうち健康で活動的に暮らせる期間のことをいいます。これは多くの国民が「国民皆保険制度」によって、とても安い医療費で気軽に病院を受診することができるため病気の早期発見、早期治療が可能になっているからです。
厚生労働省が発表した2011年度の国民医療費の概況は国民医療費の総額が38兆6000億円となり、前年度に比べ3.1%の増加となっていました。これは医療費増大が社会保障政策の大きな障害になりつつあることを示しています。日本の一般的な医療費は「医療保険制度」と「後期高齢者医療制度」の二つに大別されます。「後期高齢者医療制度」は2008年からスタートしたもので75歳以上の高齢者に適用されるものです。給付額における割合はすでに32%に達しており、日本は今後益々高齢化が進行することから、この「後期高齢者医療制度」の支出は増加が予想され医療費膨張の最大の原因となるでしょう。医療費は社会保障費の約3分の1を占めていますが、2020年には今よりも30%支出が増加する予想となっています。赤字続きという問題もありますが、年金が8.7%の伸びに収まっていることを考えると医療費の伸びが財政に与える影響は大きいと考えられます。
それでは医療費を削減してしまえばいいのでは?と考えてしまいがちですが、実際にはそんなに簡単なことではありません。65歳以上の医療費では“がん”や“心臓疾患”や“脳血管疾患”が占める割合は40%に達しており、命に関わる病気の支出が半分近くを占めているのです。他にジェネリック医薬品など薬価を抑制しようという動きもありますが、薬に関する支出は医療費の17%で大きな削減は期待できない状態です。
増大する医療費をカバーするためには国民負担を増やすか医療費を大幅に削減するしかないのです。医療費はあまりに莫大な金額であるため、富裕層の負担を増やしたり、貧困層への給付を減らすことでは対応しきれません。よって、今後の医療費問題をどうするのか、鍵を握っているのはボリュームゾーンである「中間層」と考えられます。医療制度を維持しつつ高い負担を受け入れるのか、医療の水準を低下させて医療費を抑制するのか、「中間層」の意思が問われているのです。
生活習慣の乱れは病気の元となります。病気を未然に防ぎ、食生活や日常生活の改善を促すのが健康診断や人間ドックです。その健診を受けることを勧め、健診時に個々人の食生活のアドバイスをするのが、人間ドック健診食生活改善指導士です。看護師や栄養士が研修プログラムで資格取得が可能です。
高度経済成長期には景気は右肩上がりで国民の所得も同様に右肩上がりに推移してきましたので、国民皆保険制度にはなんの死角もありませんでした。ところが少子高齢化が進み景気停滞期を経た今、医療費の支出と保険料収入のバランスが崩れ、収入が支出に追いつかないという大問題が発生しています。
2008年4月に始まった後期高齢者医療制度は、75歳になると自動的に加入することになる独立した医療制度です。この制度の根底には高齢者医療の削減という考えがあって、それが運用上のいくつもの問題を内包しています。一番の問題は後期高齢者医療費を支える財源です。