日本の医療費の問題を考えよう

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ABOUT ME 現代の日本は、誰もが最新の医療に基づく診療を受けられる社会になりました。しかし、その結果として高齢化社会が進行し、医療費の支出に保険料の収入が追いつかなくなってきています。本サイトでは日本の医療費の問題と、その問題に対して何が出来るのかを考えていきます。お問い合わせはこちらのメールフォームからお願いします。

崩壊寸前?医療費の収支バランス

崩壊寸前?医療費の収支バランス 医療費の収支バランスとは医療費の支出と保険料などの収入のバランスのことで、現状はこの収支バランスが取れなくなって危険な状態になっています。その悪化の原因と対策について見ていきましょう。

医療費増大と保険料収入減少

医療費支出が増えている原因は主に2つあります。高齢者人口の増加と医療技術の高度化の2点です。医療の技術進歩により私たちは高度な医療を受けられ、そのことが私たちの健康に大きく貢献しています。しかし、その結果、医療費用が増えることとなり医療行為における単価も上がっているのです。
保険料収入が減っている主な原因も2つあります。経済低成長と労働人口の減少です。「国民皆保険制度」が成立した1961年、日本は経済的にも成長し、雇用も安定していました。労働者の人口も多く、保険料が十分に確保できていて、高齢者の分を若い世代が支えるという形が成り立っていたのです。その象徴的な動きが1973年の「老人医療費無料化」で高齢者の医療費の自己負担が無料となったのです。しかし、バブル経済崩壊後は経済的に不安定な時代となってしまいました。近年では労働者人口の減少により保険料収入も減少し、若い世代が高齢者を支えるという形が成り立たなくなっているのです。

医療費を抑制する!?

現状改善のために国は医療における支出を減らそうと医療費の抑制策を行なっています。医療費は、設備や薬剤の費用と医師や看護師などの人件費に大きく分けられます。医療技術の進歩による設備や薬剤の費用を圧縮することはなかなか無理なことです。そこで医師や看護師などの人件費を減らすことになってしまいます。しかし、そうなれば医療機関の経営は立ち行かなくなり、倒産や過重労働などの問題が起こってしまうのです。

医療の保険適用を抑える!?

日本の公的医療保険制度では保険によって受けることができる診療範囲が厚生労働大臣によって定められていますので、もしも高度な医療に対して保険を適用しないということになれば、経済力によって受けられる医療に格差が生じてしまうリスクがあるのです。そこで高齢者の負担を増やすということも検討されています。それは現在の高齢者の負担は1割に過ぎず、あとの5割が税金で4割が他の保険からの支援金で賄われているからです。労働者人口の減少によって高齢者を支える構造は崩壊しつつあるため、高齢者の負担を増やすことが考えられているのです。

全てを税金に!?

誰もが医療を受けられる社会を維持するために全てを税金にしてしまおうという考え方もあります。しかし、その場合は増税が必要となり、どんな形であっても誰かが負担を強いられてしまうのです。今後、「国民皆保険制度」をどうしていくのかが大きな課題となっていくでしょう。

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