日本の医療費の問題を考えよう

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ABOUT ME 現代の日本は、誰もが最新の医療に基づく診療を受けられる社会になりました。しかし、その結果として高齢化社会が進行し、医療費の支出に保険料の収入が追いつかなくなってきています。本サイトでは日本の医療費の問題と、その問題に対して何が出来るのかを考えていきます。お問い合わせはこちらのメールフォームからお願いします。

生活保護費の半分は医療費?

生活保護費の半分は医療費? 生活保護とはさまざまな事情で生活が困難な人に最低限度の生活を保証するものです。生活保護は、受給者の生活の手助けをする制度となっていますが、最近はいろいろな問題も出てきています。ここではその問題点を考えていきましょう。

医療機関との関係

生活保護を受けている人は、どれだけ医療機関を受診しても医療費が無料となります。2010年には生活保護費の総額が3兆3000億円を超えました。この中の半分を医療費が占めており、その額は1兆5000億円以上になるのです。わたしたちは生活保護費の大半は生活費に充てられていると思っていますが、実は医療費がほとんどを占めているという異常な状態なのです。では、どうしてこのような状態となっているのでしょうか?それは医療費が無料だということが大きく関係しているのです。2009年の政府の調査によると、生活保護受給者のうち2日に1回以上の頻度で医療機関を受診している人が1万8000人以上存在することが分かっています。そのため過剰受診と判断された人は自治体から指導を受けましたが、改善したのはそのうちの3割程度のようです。生活保護を受けている人は医療費の自己負担がないため、金銭的な障壁が低く、結果として安易な受診や必要のない検査を受けてしまう傾向にあるようです。また、医療機関を何度も受診して睡眠薬などの薬を無料で手に入れ、これを転売するビジネスが問題となったこともあるのです。

貧困ビジネス

生活保護をターゲットにした貧困ビジネスも起こっています。生活保護受給者の診察を行うと病院側は確実に医療費を請求できますし、国がお金を支払ってくれますので未払いになるリスクがないのです。実際に医療費の不正受給によって摘発された病院もあります。これは行っていない心臓手術を行ったように見せかけ診療報酬を請求したとして病院の理事長らが逮捕された事案です。一度の心臓手術で何百万もの報酬を得ることができるので、病院としては多くの検査や手術を行ったほうが安定した収入を得ることができるのです。

モラルの低下

生活保護受給者の医療費は税金から支払われますので、過剰な医療が行われたとしても一見すると誰も被害を受けていないように見えます。そのため当事者のモラル意識が低下し、犯罪が起こりやすくなると考えられます。そして、これは本当に必要な人に医療費の支援が行われず、医療費が無料の人が医療機関を頻繁に受診するといった大きな矛盾を生む結果になっているのです。

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