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現代の日本は、誰もが最新の医療に基づく診療を受けられる社会になりました。しかし、その結果として高齢化社会が進行し、医療費の支出に保険料の収入が追いつかなくなってきています。本サイトでは日本の医療費の問題と、その問題に対して何が出来るのかを考えていきます。お問い合わせはこちらのメールフォームからお願いします。
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日本の医療保険制度は、アメリカ等の諸外国の医療保険制度と比較すると優れていると言えますが、最近では保険収入で医療費が賄いきれないという問題も出ています。ここでは、日本の公的医療保険制度について見ていくことにしましょう。
公的医療保険制度は、大きく3つに分けることができます。
1.被用者保険・・・会社員や公務員などの被用者の人が加入しているもので、中小企業に勤務する人とその扶養家族が加入している「全国健康保険協会管掌健康保険」や大企業に勤務する人とその扶養家族が加入している「組合管掌健康保険」、公務員や私立学校教職員の人とその扶養家族が加入している「共済組合」に分かれています。
2.国民健康保険・・・自営業の人たちが加入しているもので、自営業の人とその扶養家族が加入している市区町村単位と、医師や薬剤師等同業種で働く人やその扶養家族が加入している国保組合に分かれています。
3.後期高齢者医療制度・・・75歳以上の人が加入しているもので、健康保険制度に加入していた人は75歳になるとそれまでの医療保険制度から脱退し、この「後期高齢者医療制度」に加入することとなります。これは都道府県ごとに設置された後期高齢者医療広域連合が運営にあたり、事務窓口は市町村が努めることになっています。
わたしたちが医療機関を受診した場合、加入している健康保険から給付を受けることができます。この給付は、「現物給付」と「現金給付」の2つに分けられます。
現物給付・・・病院などの医療機関で受診後、保険証を提示して治療費の自己負担額を支払いますが、差額分については医療機関が該当する健康保険に請求して医療機関に直接支払われることとなります。このことを「現物給付」といいます。どうして現物給付と呼ばれるのか、その理由としては被保険者が医療機関で治療を受ける際に、お金ではなく医療サービス(現物)が給付されるからです。
現金給付・・・出産した場合に受け取ることのできる出産育児一時金や、死亡した場合に受け取ることのできる埋葬料などのお金で支給されるものを「現金給付」といいます。他に被保険者が病気やケガで働けなくなり、給料の支払いがないときや減額された場合に給付される傷病手当金も現金給付となります。
医療機関を受診した際に窓口で支払う医療費の一部負担金の割合は被保険者の年齢によって違います。小学校入学前までは入院・外来とも2割負担となります。義務教育就学後から70歳未満の場合は入院・外来とも3割負担となります。70歳以上75歳未満の場合は一定の所得のある方は3割負担ですが、それ以外の人は特例で1割負担(本来は2割負担)となります。ただ、後期高齢者の人の場合は入院・外来ともに1割負担となります。
生活習慣の乱れは病気の元となります。病気を未然に防ぎ、食生活や日常生活の改善を促すのが健康診断や人間ドックです。その健診を受けることを勧め、健診時に個々人の食生活のアドバイスをするのが、人間ドック健診食生活改善指導士です。看護師や栄養士が研修プログラムで資格取得が可能です。
高度経済成長期には景気は右肩上がりで国民の所得も同様に右肩上がりに推移してきましたので、国民皆保険制度にはなんの死角もありませんでした。ところが少子高齢化が進み景気停滞期を経た今、医療費の支出と保険料収入のバランスが崩れ、収入が支出に追いつかないという大問題が発生しています。
2008年4月に始まった後期高齢者医療制度は、75歳になると自動的に加入することになる独立した医療制度です。この制度の根底には高齢者医療の削減という考えがあって、それが運用上のいくつもの問題を内包しています。一番の問題は後期高齢者医療費を支える財源です。